復興計画均質化が浸透 東北再生

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東日本大震災以降、建築家には自然と人間をつなぐネゴシエーター(交渉人)としての役割が求められていると感じるようになりました。
言い換えれば、住民と話し合い、地域の歴史や知恵を反映する、その場所にしかない建築を一緒に造るということです。これが震災で得た最大の教訓になりました。

仙台市宮城野区や陸前高田市で仮設住宅の共有スペース「みんなの家」を手掛けたとき、被災地の方々が自然に親しみながら古い共同体を維持している人たちであることを意識しました。

近代主義の思想は建物の内と外をはっきり区切りますが、みんなの家は縁側を造り、ひさしを出しました。明治以前の日本の住まいにあった連続の思想を少し展開しただけで、住民の方々は涙を流して喜んでくれました。

復興計画は全体として政府主導であり、土木主導です。「どのまちも同じような復興でなければまずい」という考え方で、結局小さな都市化を進めています。自治体行政は官僚機構の仕組みの中でしか動けず、均質化を求める近代主義の思想が広く浸透しています。
防潮堤だけで海と陸を分けようとしていますが、2段、3段の構えのグラデーションで減災を図る方が安全率は高まります。

釜石市復興アドバイザーとして、山並みのように変化に富んだ公園のような防潮堤や住民が毎日一緒に食事できるような災害公営住宅を提案しましたが、政府主導の復興計画によって全て拒否されました。若い建築家が従来のコミュニティーを持続できるように提案した災害公営住宅も、建設費高騰と人手不足で実現できませんでした。

今後は住民自身が「自分たちが一緒になってこのまちをつくるんだ」という意思を持てるかどうかが重要になります。復興にはまだ時間がかかります。住民主導の計画へ、修正するのは今からでも遅くないはずです。

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